こちらの記事の続きです。
そうそう、タイトルはあえて完治じゃなくて克服にしています。
今、ほぼ完治したも同然のお肌なのですが、体質として肌に出やすいっていうのは一生続くと思うので。
今後も人生のどこかで出るかもしれません。ただ、攻略方法は自分で掴んだな、という感覚があって。だから克服、と表現しています。
高校生~大学生まで
高校生のときも、皮膚科に通い常時ステロイドとワセリンは手元にある状態。一番見た目を気にする年齢だったので、ちょっと症状が出たらステロイドを塗っていました。
また、小学生のときほどではないですが、肌に合うものも探し続けていました。
私の場合、意外と敏感肌ではないのです。
ドラッグストアに売ってるようなごく普通の化粧水や乳液、ボディークリームなどで荒れることはありませんでした。だから顔や体の乾燥した部分にはニベアとか使っていました。これがダメな方も結構いますね。
私も市販のものを使っても荒れないっていうだけで、それで症状が治るわけではなかったので、
ステロイド+ワセリン+市販の化粧水やクリーム、という生活でした。
今度こそ!
高2くらいのとき、やはり母か祖母に「これがアトピーに良いらしいよ」と手渡されたジェルがあって、それを使ってみることにしました。
新しいものを試すときって、最初すごく意気込むんです。
「今度こそ、このジェルでアトピー完治させるぞ!ステロイドなんてきっといらなくなるぞ!」って。
その時も、はりきって使い始めました。効果を感じたかったので、ステロイドを塗るのはやめて、そのジェル一本で勝負したんです。
挫折感と諦め
1週間ほどで症状が出始め、徐々にひどくなっていきました。今思うと、今まで使ってたステロイドの離脱症状だとわかるんですが、その時はただ落胆しました。「あぁ、またダメだった」という気持ちです。
それと同時に「いや、ここで諦めるのは早いんじゃない?1ヶ月続けてみたらきっと治るんだ!」と踏ん張る気持ちもありました。
「そうだよ!これで治った人はこういう期間にもめげずに続けた人なんだ!だから一旦酷くなるのも我慢しなきゃ!」と、なぜか熱血な自分も(笑)体育会系の部活みたいですね。
そんな風に思わないと、こんなひどいお肌の自分を我慢できなかったんです。
見た目で言えば、一刻も早くステロイドで綺麗にしたかったけど、それじゃ今までと変わらないからなんとか耐えきろう!という感じです。
でも、日を追うごとにそういう気持ちも折れてきます。
いつまで我慢すればいいんだろう。
もしかして、そもそも合わないんじゃない?
せっかくの青春の日々をこんな惨めな気持ちで過ごす意味あんの?
一番若くて楽しい時期を無駄にしちゃってるんじゃない?
だったらステロイド塗って楽しく過ごした方がいいじゃん。
治んないかもしれないんだし、だったらさっさと見切りをつけなきゃ、それこそ時間がもったいないじゃん。
そんな気持ちの方が強くなっていきます。
かゆかったし、服がこすれるのや髪の毛が肌に当たるのすら気になる。
それに、ふと自分の腕や鏡に映った姿を見ると幻滅しました。
友達の目も気になりました。たぶん友人も気遣って聞かないでくれたのだと思いますが、視線で「あ、今アトピーのとこ見られてるかも」と感じてしまいます。仮にそうじゃなかったとしてもネガティブな気持ちになっているので、見られているような気になりました。汚い、と思われるのが怖かったです。アトピーが原因で友達が離れていくんじゃないかという不安もありました。
そういう精神状態はいつまでも耐えられるものではありませんでした。
たぶんジェルだけを使い続けて2、3週間ほどで張りつめていたものがプツンと切れて、
「頑張っても頑張っても治んないじゃん!もういいよ!」と、酷くなったところに一気にステロイドを塗りました。
2、3日で綺麗になり、普通の女子高生に戻りました。
そうするといくぶんか気持ちに余裕も生まれますが、「またダメだった」「またステロイドはやめられなかった」という挫折感と自己嫌悪感は残ります。
でも、ステロイドのない状態で受験のプレッシャーまで重なったら、きっと鬱病になってしまう。
副作用をとるか精神状態の安定をとるか
ステロイドの副作用と精神状態の安定を天秤にかけると、精神状態が安定していることの方が生きる上で重要だと考えました。だったら割り切ってステロイドを使おう。生きている時間のなかで楽しい時間が多い方が良い。
そこからステロイドで症状をコントロールしながら生活する方針になりました。定期的に皮膚科に行って、いつも使っているステロイドをもらう。肌が荒れてきたら塗る。
「あれがいいよ」「これがいいよ」と言われるものに期待して裏切られるのはもううんざりでした。
「どうせ効かないでしょ」と思いました。今までこんなにやってみたんだから。
だからこれ以降、あまり他のものは試さなくなります。そのまま、大学の4年間、社会人の数年間(結婚するまで)をその方針で過ごしました。
一番、アトピーについて勉強しなかった時期です。
散々挫折してきたので、もうこりごり!皮膚科の先生のいうことを聞いて、薬で良い状態を保ちながら生活しようと思っていました。
特に大学生活は授業にアルバイトに、部活に恋愛にと楽しいことがいっぱいありましたから、ネガティブな気持ちになってしまうアトピーのことからは目を逸らすようにしていました。
考えてもしょうがないこと。原因は不明だし。
このままいけば、今も変わらずステロイドを使い続けていたと思います。
でもこの後、転機が訪れました。
(続きます)