mimoza note

八丈島に住む刺繍作家Mimoza SHOJIのブログ。

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『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』を読んで

昨年あたりから、私たち夫婦はそれぞれの誕生日に本をあげることにしています。


服やバッグは自分で選びたいし、欲しいものをあからさまに言うのもなんだし…(っていうかいう前に自分で買っちゃうし)
そんなに物欲のない二人なので、欲しいものは自分たちで買ってしまいます。



本はお互いに読んだらいいかなと思うものを提案できるし、2人で読んでもいいし、読めば知識になるので素敵。
ということで、数年前から物ではなく本を送るようになりました。


今回の夫の誕生日にはこれ。



夫に子育て系の本をあげても意味ないか…というくらい、夫は子育てのことをよく勉強して信念も持っている人なのですが、そうするとあげる本がありません(笑)

完全に私が読みたかった本ですが、まぁ1行くらいは夫のためになる情報だってあるはずなので買いました。


保育士、教師が読むべき本

これは私の知人である信頼できる保育士さんが、「職場の同僚保育士に読ませたい」とぼやいていた本です。
子どもの発達の専門家である保育士さんでも、子どもを抑えつけ型にはめるような声かけをしてしまう。いや、毎日接しているからこそ惰性で雑に接してしまう場合があるのかもしれません。


私も小学校の学童指導員として子どもと接することがありますが、大人の都合で叱ることがあります。
個人的には別にいいじゃないと思うことでも、学校で決まっているルールは指導員として言わなければならない。


でも、伝え方が一方的になってきたと自分でも思うことがあったのです。
勤務が長くなれば長くなるほど、学校の大人都合のルールで支配するのが当たり前になってきて、子どもの目線がどんどん薄れてしまい、それが声かけや叱り方に現れてしまっているなと猛省していました。


だから自分のためにもなおさら今読みたい本でした。


安易に「叱る」を多用しない子育て

タイトルだけを見ると、

  • 子どもを叱ってしつけていく子育て か
  • 一切叱らないで子どもの好きにさせる子育て

の両極端をイメージしてしまいがちですが、この本で言いたいのは安易に「叱る」を多用しない子育てで、叱ることが悪、というわけではないのです。
子どもの発達段階によっては、叱ったり怒ったりして伝えることがあってもいい。
けれど、安易にその方法をとるのではないよ、ということです。


安易に叱ることをしていると、親自身叱ることがクセになっていき、その度に子どもの自己肯定感を下げることになる(きっと親の自己肯定感も下がる)。
叱る回数が増えれば育児も大変でつらいものになり、子どもも抑圧されて…負のスパイラルですね。

叱ることは大人のストレス解消になっている

叱ることに大人のストレス解消的な心理が働く、という記述もありました。
だからなおさらやめられなくなっていくのだと。


私はそんなことない!…と言いたいところですが、残念ながらこの気持ちもわかります。
ちょっと冷静に考えれば子どもの言い分を分かりそうなものなのに、大きな声で叱っているときって、自分自身が元からクサクサした気分である気がします。

自分より弱いものに強く言うことで気分を晴らしているなんて…恥ずかしいことです。



子どもは大人の方から関わってもらうことを心から欲している

「叱る」とはまた話が変わりますが、私がこの本で心に留まったことがあります。

子どもは「大人の方から」能動的に自分に関心を持ってもらったり、見てもらったりということを、本心から欲しています。
子どもが要求を出して大人がそれに応えるという、大人の方が後手に回った関係では、子どもはなかなか満たされません。


なるほどなと思いました。

私はどちらかというと、子どもが「◯◯がしたい」というのを待って(自分の仕事をしたりミシンをしたりして)、誘われたら手を止めて一緒に遊ぶ、というスタンスでいることが多いのです。


でも、娘が本心から欲しているのは、私から「一緒に遊ぼう♪」と誘うことなのかもしれない。
きっと娘が保育園を楽しんでいるのは、大人である保育士さんたちが「〇〇しましょう」と提案してくれることが嬉しい、というのもあるような気がします。


同じ「一緒に遊ぶ」でも、大人から能動的に関わるかどうかで満足度が変わってくる、というのは言われてみれば腑に落ちた新発見でした。


もちろん私は私でやりたいことがいっぱいあるので、一人でいたい!と思うことも多いのですが、少しでも心がけて見たいと思います。
そして結果的には、子どもの遊びへの満足度が上がると、一人遊びも安心してできるようになる→私の時間も増える(笑)
と目論んでおります。



子育てがちょっとしんどいな、と思う時に読んで実践すると、不思議と本当はそんなに大変じゃなかったな、と気づかされる本でした。