mimoza note

八丈島に住む刺繍作家Mimoza SHOJIのブログ。

スポンサーリンク

子どものアトピーについて思うこと。治し方。

アトピーのことをブログに書くようになってから
知らない方からアトピーの話を聞きたいと言われるようになりました。


大人の方ご自身のアトピーであったり、幼いお子さんのアトピーのことであったり。


うちは娘も0歳の時アトピーっぽかったのですが、今はぜんっぜん綺麗な肌で(ちょっと羨ましいくらい)。
「娘さんはどうやって治ったんですか?」と聞かれることも多くて
あ、そういえば娘の治った方法はあんま書いてなかったかも、と思うので思い出して書きます。



治った理由なんてよくわかんない、のが本音


書き出して早々「どうやって治ったか?わかりません」と書くのは大変恐縮なのですが、本音はこれです。
というか、今まで娘のアトピーについて詳しく書いてなかったのはこれが理由。
書いてなかったというより、書けなかった。


だって私の身体じゃないんですもん。
自分の身体に関しては、毎日観察もし、かゆみの状態とか腫れ具合とか感情とか全部わかった上で分析したから考察できるんですが
娘の身体に関しての情報は見た目だけ。どれくらいかゆいかなんて本人以外わかんないんです。



熱がこもってて辛いとか、乾燥して皮膚を動かすのが痛いとか、アトピーにもいろんな症状がある。


私もよく、夫にグジュグジュの皮膚を見せびらかしたりしてるのですが
「あんまり昨日と変わってない気がするな〜」と言われたとしても、実際昨日と今日では全然辛さかゆさが違ったりするわけです。
見た目だけではわからない。



幼い子がアトピーの場合、言葉も通じないから症状の具合とご機嫌とを見ながらやっていくしかない。
難しいですよね。
色々試した全部が総合的に良かったのかもしれないし、その中のどれか1つが劇的に合っていたのかもしれない。
「かもしれない」の領域。



だからあんまり詳しく書けと言われても憶測になってしまうのですが、
それでも親として思ったこととか経験談を書ければいいのかなと思います。
まぁそもそも私はお医者様でも皮膚の専門家でもないので、そんな私の話をどう捉えるかは皆様のご判断でお願いします。


でもね、私は皮膚科に行った時たまに思ってた。
「先生はアトピーになったことないでしょ」って。
かゆそうだねって同情してくれるけど、全身がかゆいってわかる?蚊に刺されたかゆいしか知らないんじゃない?
それが毎日で、見た目も惨めな私の気持ちわかる?って。


偉そうに書いてるけど、私も例えば「痛い」をそんなに知らない人なんだと思う。
「かゆい」はよくわかるけど「痛い」はそこまでたくさん知らない(陣痛は経験したけど)。
世の中にはいろんな身体の辛さを感じてる人がいて、結局本人しかわからないんだけど、
同じ病気の人は近しい感情を分かち合えると思うから。
私はアトピーのお子さんを持つご家族に向けて書きます。


大人のアトピーと子どものアトピーは違う


生まれてきた娘のアトピーを見ながら、自分の子どもの頃を振り返って、今の自分のアトピーと比べてみて思ったこと。


子どものアトピーは大人のアトピーと原因が違う。


大人のアトピーの場合、後天的な要因を孕んでいると思う。口にしたものとか環境とか、負の感情とか。


じゃあ赤ちゃんは?母乳だけ。しかもママが食べ物に気を遣ってる人でも症状が出るのはどうして?
快か不快か、感情の種類がまだそこまでない中でストレス要因を除いてあげても、愛情を注いでもアトピーになるのはどうして?
都会でなくて田舎で空気が美味しい場所でもアトピーなのはどうして?



一説に、「赤ちゃんはママの身体の中の悪いものを持って出てくる」という説があります。
だから出産して身体が綺麗になるママもいる。

体型の崩れは別として、私もその一人だと思ってます。
出産後ものすごく身体がスッキリして滞りがないのを感じた。
私は小さい頃からアトピーでステロイドもずっと使ってきました。
そういう長く蓄積してしまったものを娘は産まれるときに私の身体から持ち出してくれた。
生まれてからしばらくの間、娘は自分の身体をもって代わりに排出してくれている。


科学的根拠?ありません。
ただ、やはり母体から子どもに受け継ぐものは多々あると思います。
お母さんが健康であることが子の健康につながる。
逆にお母さんがなんらかの病気を抱えていたとして、子どもがそれを受け継ぐ。

私の場合、アトピーがそのまま受け継がれた。

お母さんがアトピーでないのに子どもだけアトピーの人もいるでしょう。
お母さんの別の病気をアトピーという形で出してくれているのかもしれません。


だから、私は娘に「私の悪いものを出してくれてありがとう」ととても感謝しています。
かわいそう、じゃなくて、ありがとう。


娘を見ながら思うのです。
私も幼いときアトピーだった。でもそれで私の母がちょっとでも元気になったなら全然いいや!
(母の病気のことは アトピーと親の関係。母の統合失調症とうつ。 - mimoza note 参照。)
子どもって本当に、お母さんを幸せにしたい生き物なんだと思うんです。


アトピーの子を持つお母さん、「アトピーの身体に産んでしまってごめんね」とはどうか思わないで。
そんなこと少しも恨んでないから、お母さんが元気になって笑うこと。それだけで子どもは嬉しい。


あと、子どもがアトピーで産まれてきてしまった…この子は今後一生アトピーかもしれない、じゃなくて
子どものアトピーはそこで断ち切る力があるから、治ると信じてあげること。

ここで話が冒頭に戻ります。(冒頭じゃないや、見出しに戻りますw)

子どものアトピーは大人のアトピーとは違う。
つまり、子どものアトピーはお母さんの悪いものを出しただけなんです。
てことはそれを出し切っちゃえばおしまいなんです。
扱い方を間違わなければ治ります。


だから子どもの身体を信じて、出し切れば治るんだと信じて、焦らないで待つ。
すぐに終わるか長くかかるかわからないけど、治るものだと信じる。

次に、信じて待つ間の子どものアトピーの扱い方について書きます。


暖かくし過ぎない。

当時娘のアトピーを見てもらいに、吉祥寺の真弓小児科に行きました。(今はありませんが著書多くあり)

そこで言われたのが、「室内と外気温の差を5度以内にしなさい」ということ。


これは結構衝撃でした。
と同時に私たち親も相当覚悟がいるなぁと思いました。
そのときちょうど冬だったので、石油ストーブを買ったばかり。当然寒い冬は部屋を暖かくして過ごそうと思っていたのに、えーーー!!という感じ。
外気温との差5度って…つまり外が0度だったら部屋の中は5度までにしかしちゃいけないってこと?まじかよーーー
(実際厳密に5度以内にしたわけじゃありません。鉄筋造りで閉め切っていれば10度くらいはあったかもしれませんが)

でも、本当に娘がかゆそうでしたからその冬、暖房の類は使いませんでした。
だから家の中でもたくさん着込んでいたり、湯たんぽを使ったり。


そのおかげか娘がかゆがる時間が少し減ったのです。
アトピーの私はこの原理ものすごくよくわかる。
アトピーってあっためるとかゆいんです。

運動したり熱いお風呂に入ったりすると痒くなる。
当然、あったかい部屋もかゆさが増す。だから温めない。

暖房に頼らないことは、かゆみ減少だけでなく免疫力の向上にもつながるのだと思います。
そして寒ければ、身体が自分で熱を上げようとする。自然と身体を動かしたりして、室温ではなく体温を上げる。
そういう力を身体に覚えさせてあげる良い習慣にもなりました。


現代人にとってなかなかしんどいものかもしれませんが、温めることは全てダメ!というのではなく
空気を温めることを辞めるだけでも効果はあると思います。
例えば、暖房、石油ストーブ、ヒーターをやめて、ホットカーペット、こたつ、湯たんぽにする。
我慢しすぎは続かないから、身体を温める方法を少し変える・工夫するという捉え方で。
これはアトピーに限らず、健康になる秘訣だと思います。


石鹸やシャンプーはいらない

うちの娘はいまだに石鹸とシャンプーあんまり使ってません(4歳)。
あんまり、というのは別に禁止してるわけじゃないってこと。
そりゃあ、絵の具を顔に塗りたくるとかなら使うかもしれないけど、そんな激しい遊びをしない子なのでっていうのもある。


子どもの汗って脂っぽくなくて嫌な臭さじゃないし、シャワーで流せばすぐいい匂いになっちゃう。
お湯に入るだけですべっすべ、髪もサラッサラ。なのでシャンプーも使ってません。
まぁ思春期とかになれば自分で使いたがるようになるでしょう。
ちなみに私も今シャンプーは週1くらいであとは湯シャンにしてます。元々乾燥肌で頭もそんなに脂が出ないので、洗いすぎると乾燥して痒くなる。



アトピーの時も、やはり石鹸やシャンプーリンスは刺激が強すぎるのです。
例えばジュクジュクしてたりして気持ち悪いと思うのだけど、それが固まって、かさぶたになって剥がれて治っていくのだから、
せっかく皮膚が頑張って治そうとしてるのを邪魔しないようにしてあげる。
赤ちゃんの皮膚から石鹸使わなきゃ落ちないような汚れなんて出るはずないんだから、石鹸を使わなきゃっていう考えをまず捨てる。お湯で十分。




保湿をしない

これはまだ私もはっきりと言い切れません。
うちの場合、保湿は一切しませんでしたが、近年の皮膚科の通説では「早いうちから保湿をして皮膚の膜を作ってあげることでバリアができ、アレルギーに強くなる」というのが一般的なようで、それも一理あるのかなと思っています。
もしそうだとしたら、保湿すればいいじゃん!って思うのです。自然体が一番、とも思うけどナチュラルな保湿剤に頼ってもいいんじゃない?とも。


ただ、ジュクジュクしてる箇所への保湿はしないほうがいいと思います。これは断言。

傷が治るのには順番があります。
①ジュクジュク汁が出る・血が出る・腫れる
②それが固まる、乾燥する
③かさぶたになって剥がれおちて治る

②→①の順にはなりません。
すなわち傷が治るには乾燥が必要だということ。
乾燥するってことは治癒に近づいてるのだから、そこを潤す必要はなし。


あと、皮膚科で保湿剤としてワセリンもらうことあると思うのですが、傷のあるところに塗るものじゃない。
赤みがなくて乾燥してパサパサのところにだけ塗る。もし熱や赤みを持ったら塗っちゃダメ。
ワセリンはかなり皮膚を閉じ込める力が強いと思いますが、本来肌は排出器官なので出せなくなってしまう感じがします。


特に赤ちゃんは、身体がお肌のコントロールを覚えていく最初の段階なので、多少の浮き沈みはあって当然。乳児湿疹とかもある。
そのうち落ち着くでしょ、くらいのおおらかな気持ちで見守ってあげて余計な手出しはしない、というのも大事かなと思います。




長期的な目で観察する

良くなっていたとしても、それは必ずしも右肩上がりではありません。
波がある。
昨日かなり良くなったと思ったら、今日は悪化した。なんてことはザラで。
そこであまり神経質に犯人探しをしすぎないで。
「あれを食べたからダメだったんだ」「あそこに行ったから」「あんなことしたから」…

そんなの全部避けて生きてなんていけないんだから、思い当たる行動を責めすぎない。


長い目で観察してみて、良かったと思うことは続けて見るのがいいかもしれません。

「お風呂に塩を入れてみたらスッキリして良さそうだった」とか
「あれをしてると気が紛れて楽しそうだった」とか「あのお茶が良かったみたい」とか。

それも憶測でしかなかったりするんだけど、毎日一番近くにいる人がわかる範囲で良いと思います。



ステロイドを怖がりすぎない

「ステロイドは副作用があるから使うのは怖い」「子どもに安易に使うなんて良くない」

この慎重な姿勢を持っていることは大事です。


けど、私は頑なに拒まなくていいと思う。
本当に、ほんっとうに辛くてどうしようもなくなった時は使ったらいい。


私は高校生の一時期、ステロイドを辞めようと決意したんです。
で、身体に害のなさそうなクリームだけで乗り切ろうとした。
結果どんどん見た目がひどくなって、かゆくて辛くて、人目も気になって落ち着かなくて学校生活どころじゃなくなった。


これで受験なんてできるわけがない(進学校にいたので受験がかなり重要だった)。
恋愛なんてできるわけがない。
せっかく若くて楽しい時期なはずなのに全部台無しになる。


だったら副作用があったとしても、今幸せに生きられる方法を取った方が良くない?

そう思って、ステロイドと付き合っていく方法に変えたんです。
これは妥協でした。妥協というかその場しのぎというか…
でも私はおかげで高校大学社会人あたりの10年くらいを人並みにやってこれたんです。

私はこの期間ステロイドを使ってきたことを後悔はしていません。



私は母のうつ病を間近でみてきたので、心が落ち込んで閉ざされてしまう怖さを知っています。
私がもしステロイドを使っていなければうつ病になっていたと思う。


ステロイドは心が壊れるのを防いでくれました。


きっとアトピーの子どもを持つお母さんは、毎日我が子の辛そうな姿を見るのに心が張り裂けそうになると思う。
自分は痒くなくても精神的には本当に辛いですよね。

私が遺伝させてしまったのかしら。母乳がいけないのかしら。お世話の仕方?掃除?住む場所?
罪悪感や焦り。夜眠れない辛さ。いろんな思いがあると思います。
真面目な人ほど自分を責めてしまうし、吐き出せない。


赤ちゃんもかゆみのストレスがありますが、お母さんも心が壊れそうになる。


安易に使わなければ、私はいいと思う。
どうしても辛くてたまらない時にステロイドに頼る。
たとえ一時しのぎだとしても、少しの期間穏やかな時間が訪れるだけでひとまず休めるし、
ちょっと冷静になってから、「よし、明日から別の方法を試してみよう」という前向きな気持ちが起こるかもしれないし。



依存しなければいいと思う。
依存ではない使用程度のステロイドなら、排出する力がきっと身体にはあると思う。
それくらい身体って本当によくできてる。


一時期私も、ステロイドは金輪際使わない!と覚悟を決めて全捨てしたことありますが、今は少量お守りのように持っています。



家族は「治る」と信じてあげる

これが一番大事かも。



私は夫が「治る」と断言してくれて初めて、「アトピーは治るんだ」という発想が生まれました。
それまでは一生続くものだと思ってたんです、無意識に。
おそらく周囲の人たちや皮膚科の先生の言葉からそう思ったんでしょう。
皮膚科の先生には「治るものではないから薬でうまくコントロールする術を身につけなさい」と言われてきましたから。


「治る」という発想があれば治る。
「治る」という発想がなければ治らない。


アトピーだけでなくどんな病気にも言えることかもしれません。
思い込みが可能性を狭めてしまう。
病気だけでなく、自分の能力や未来などにも言えることなのかも。
この辺は「アファメーション」や「潜在意識」系の話なので今回は割愛。


お母さんの言葉は子どもに大きな影響を持ってしまうから。
お母さんが「治る」って思ってないと子どももそう思えなくなってしまう。
身体って本当にすごいから。
根拠はなくていいから信じてあげて。



実はお父さんが大事

夫いわく「お父さんが意外と肝」だそうです。
確かにそうかも。
うちの場合は私より徹底した、薬に頼らず自然治癒力を信じるという姿勢の夫がいたというのは大きいです。


たぶん世の中のご家庭は、逆の場合が多いんじゃないかな。
お母さんが一生懸命いろんな方法を調べるけど、お父さんは「病院でもらった薬つけてやれよ」みたいな感じ。
お父さんがお母さんをしっかりサポートしてあげる体制がないと、お母さん一人で頑張ることになるので、お父さんが子どもの身体について勉強しているというのはとても大切なことです。


特に今まで病院や薬につて歌府外を持たないで生きてきた方の場合、東洋医学の発想を頭に入れることが大切だと思います。
東洋医学や民間療法はどちらかというと日本では軽視されてきた面もあるし(最近は見直されてきてますが)、自分で知識を集めないと知らないことも沢山あります。
そんな知識をお父さんが身につけてくれたらとても素敵ですね!






ここまで、お子さんがアトピーの方向けに書いてみました。
7000字も書いてしまった…!
少しでも突破口になれれば幸いです。