たしか長女が4、5歳の頃、
「蚊に刺された」→「かににさされた」
「蚊がいる」→「かががいる」
と言い間違えていることがよくありました。
最近読んだこの本で納得。
赤ちゃんや子どもは、単語の境目を統計的に推理しているんだそう!
「蚊」の場合、話しことばで使う際にすぐ後ろに来る音は助詞の「に」か「が」がほとんど。(我が家では蚊にまつわる会話は「蚊がいる」か「蚊に刺されてかゆい」が9割だろうと思います)。
長女はその会話を何度も聞いて、「あぁ、この虫は『かに』か『かが』っていうのか」とい推測し、このような発語になったのでしょう。
「うしろに『に』が来る場合と『が』が来る場合で名前が変化」してしまうのは、「蚊」という1音で成り立つ単語は珍しいからかもしれません。
これもまた、今までの会話から統計的に見て、「ものの名前は2音以上である」というルールを彼女なりに見出していたのかも。
大人になった今でこそ「ち(血)」「い(胃)」「し(詩)」など1音の名詞はたくさんあることを知っていますが、4、5歳程度の世界では「ねこ」「いぬ」「とり」など、ものの名前は最低2音必要である、と認識されていてもおかしくはないでしょう。
また、日本語においては名詞は形が変化しませんが、他言語においては女性名詞や男性名詞など、名詞の形が変化する言語もあります。
まだ日本語のルールあいまいな年齢では、「名詞は前後の音によって形が変化する」と思ったのかもしれません。
外国語のルールを日本語に適用させるなんて、なんて柔軟なのでしょう!
「かににさされた」
「かががいる」
という表現は、子どもがことばを習得していく上での様々な要素が含まれていたんだ、ということをこの本に教えてもらいました。
私も元国語教師。夫も国語科の教員免許保有者で、どうしても言葉を「正しく」使わせようとする傾向にあります。
この本を読みながら、もっと子どもの言い間違いをおもしろがっても良かったなぁ、と思いました。
でもこれを読んだ今なら、子どもの言い間違いから言語取得の過程を見出し、観察して楽しめるかも。むしろ積極的にたくさんの言い間違いをしてくれっ...!
現在、我が家では次女が9ヶ月。
まだ言葉らしい言葉は出てきませんが、こちらの言うことばで理解しているようなものもちらほら見受けられるようになりました。
これからどんなおしゃべりを聞かせてくれるんだろうと思うと楽しみです(分析したくてうずうず!)。
ちなみにこの本を手にとったのは、表紙のイラストを描いている「でこぽん吾郎」さんのマンガを知っていたから。
保育のマンガも面白いよ。