こちらの記事の続きです。
前回、 私がシュタイナー教育へ思うことの “良い面” を挙げました。
『芸術教育への取り組み』や『自分は自分』という意識、効率主義ではない丁寧な眼差しなど、とても素敵な在り方だなと思います。
でも、すべての子どもたちに合っている方法だとは思いません。
そんな教育はたぶんないからです。
“どの教育が最も素晴らしいか” “どの教育が最も有効か” という話は、子どもたちにいろんなタイプがいる以上無理な話なんだと思います。
▼こちらの本も参考に。
大切なのは『選択肢がある』ということ。
いろんな子どもたちを受け入れる多様な教育の選択肢があり、その子に合った教育を自由に選べる、というのがいいんじゃないかと思うのです。
そのひとつとしてシュタイナー教育がある。
シュタイナー教育が合う子もいるし、合わない子がいるのもあたりまえ。
今回は、こういう子どもにはあんまり合わないかもしれない、という視点で書いています。
“シュタイナー教育はこういうデメリットがある”という意味ではないので、その点ご理解いただきたいと思います。
静かで穏やかで上品。それ以外はダメ??
校舎の内装や、人形劇などの催し、教職員の皆さんの仕草・服装などから発する雰囲気はとても優しいものでした。
優しく、穏やか。
厳かで、繊細。
もちろん、それは素晴らしいことだと思う。
と同時に、「もし、とにかく賑やかで華やかなものが好きな子どもの場合、はたしてそれがあっているかな??」とふと思いました。
例えば、ロックな音楽が好きだったり、ヒップホップ調のものが大好きだった場合。
シュタイナー教育のあの静かで穏やかな感じは、息が詰まってしまうかも…と思ったんです。
もちろん、『自分は自分』という視点があるという意味では、周りが穏やかだろうと静かだろうと関係ないと思います。
ただ、シュタイナー学園の場合、良い意味で教職員や親たちが「最良の教育を目指している」感じを受けました。
いわゆる “でもしか教員” というのがいなくて、とにかくシュタイナー教育をより良い方法で実践することを日々考えて実践している。
そんなに一生懸命、自分たちのことを考えている教員や親の前で、「自分はもっとうるさいものが好きなんだ」とか「もっと世俗っぽいものがいい」とかってなかなか言いづらい。可能性としてそういう子どももいるかなぁと思うのです。
下品なもの。ジャンキーなもの。流行っているもの。
爆音。激しい色彩のもの。
テレビ。マンガ。ゲーム。
デジタルなもの。エコでないもの。
そういうものが好きだったとして、それを言い出しにくくする空気はあるんじゃないかと思いました。
というのも私が、普通の公立小学校に通ってたのにそうだったんです。
マンガ本が欲しいとか親に言えませんでした。アニメが観たい、とかも。
別にうちの親は禁止してなかったんですよ。ただなんとなく、「好き」って言わない方がいいかなぁと感じて、親の前で言わないようにしてたんです。
お友達の家で読ませてもらったり、本屋さんで立ち読みしたり(笑)
テレビも、子どもだから普通にアニメとか観たいんですけど、あえて興味ないふりをしようと目を逸らしたりしたんです。
シュタイナー教育の場合、そういう無言の重圧があるかもしれないな、と思いました。ダメって言ってないとしてもね。
家庭のタイプが似通っている
これはどの学校にも言えることだし、良くも悪くもないと思うのですが、シュタイナー教育の学校に入れる親(家庭)ってタイプが似通っていると思います。
傾向として
- 自然育児やそれに近い子育てスタイルを選んでいる
- 親が教育に何か思うことや問題意識がある
- 子どもが普通の学校に馴染めなかった
- そこそこ裕福
多かれ少なかれ、上のどれかに当てはまる印象です。
メリットを考えると、
- 親同士や家庭と学校との連携が取りやすい。
- 話の方向性が合いやすい
ということが挙げられるかと思います。
シュタイナー教育に共感する以外にも、生活のスタイルやこだわっていることが似ているというのは意見が合いやすいし心強いものです。
まぁ私立の学校だと、だいたい生活水準や価値観って似通ってくるとは思いますが。
反対にデメリットになりうることを挙げると、
- まったく異なる生活水準、価値観の人たちと出会いにくい
というのはあるんじゃないかなぁ。
例えば私なんかは、小中学校の時にお友達のお家に遊びに行かせてもらって、いろんな家庭があるんだなぁということを知ったところがあります。
うちは2世帯一軒家だったんですが、
マンションや団地の家庭。お金持ちの家庭。貧乏な家庭。シングルの家庭。親がやたら厳しい家庭。
うちは自営業だったので、お父さんがサラリーマンという家庭もその時初めて知りました。
もちろんシュタイナーの学校に行っても、様々な家庭に触れることはできるでしょう。
でも、例えばお母さんがギャルだとか、常にテレビがつけっぱなしの家庭にはおそらく出会わないと思います(笑)
私が小さい頃は、そういうお家もありました。びっくりしたけど新鮮で面白かったし、なんだかんだ視野は広がりました。お母さんがジャニオタのお家とかもあったなぁ〜
まったく相容れない家庭の人と接する機会がない、っていうのは子どもの視野を狭めてしまう可能性があるな、とは思います。
また思いついたら書き足しますが、今日はここまで。