八丈島でできないこと。
正直たくさんあるけれど(デパートに行けない。展覧会に行けないetc)、
そのひとつが映画を観ること。映画館ないからね(笑)
そんな島民のストレスを多少晴らすべく?図書館に多少DVDがあるけど、最新作は当然観れません。
と言っても、私は普段映画を観ません。
金曜ロードショーすら観ないです(そもそもテレビつけないし情報に疎いので、観たい映画があっても見逃してしまう)。
高校生の時は月2回くらいは映画館で観てたのにな〜。
まぁ高校生って映画が安く観れるし、それくらいしか娯楽がなかったっていうのもあるけど(笑)
全然嫌いじゃないんです。
むしろ観たいんだけど、
子どもが生まれてからというもの、何しろ自由な時間は限られていて。
一人の時間があるなら別のことやりたいし、なんなら溜まった家事を片付けたい。
でもそればっかりもストイックというか、遊びがないよね。
娯楽はしちゃいけないっていう修行みたい(笑)
元々自分に制限かけがちなとこはあるんですが、
“自由な時間ができたら有意義に使わなければいけない” みたいな空気が自分の中に漂い始めたので、たまには遊ぼうと思いました。
数時間で手軽に気分転換できるもの。
できるだけ受け身で自堕落なやつね(笑)
あと、普段大自然の中で過ごしてるんで、自然系じゃない方がいいんです。
美容院か、エステか、映画かなと。
美容系も捨てがたかったんですが、気になってたのが2つあったので映画にしました。
『LA LA LAND』か『ターシャ・テューダー』。
2年前くらいに銀座松屋でやってたターシャ・テューダーの展覧会を見逃してからというもの、その代替作品がないかアンテナ張ってたんです。
展覧会行けなかったぶん映画で補おうと思ったんですが、映画まで自然系にする必要はなかろうと思い、ターシャは辞め(笑)
全然あらすじもキャストも知らないLA LA LANDにしました。
ほら、八丈島に新作映画のポスターなんてないから。
+テレビを観てないので、どういう作品かもよくわかってなかったんです。予告編とか知らんよ。
なんで知ったかっていうとfacebookとかだったかな。
複数人が観てて、どうやら賛否両論っぽい映画なのかな、という印象。
LA LA LANDのポスターって、ストーリー予測しにくいでしょう?笑
男女が踊ってるから、一応恋愛系なのか??くらいにしか思ってませんでした。
あとはミュージカル映画だっていうのは知ってたけど。
ミュージカル映画といえば、
私が劇場で最後に観た映画って『レ・ミゼラブル』なのね。
あれは本当にセリフが全部ミュージカル調だったから、普通に喋ればいいところまで歌になってて、それゆえめっちゃ長かった。面白かったけどお尻が痛くなっちゃった思い出。
だからLA LA LANDもめっちゃ長かったらどうしよう〜と思ってたけど、意外と90
分だったので安心。
退職したからこそ観れた映画
結論からいうと、今だから観れた映画だなと思ってます。
たぶんね、中学生〜社会人(子ども産むまで)の私だったら、この映画をバカにしたと思うんです。
普通を模索した学生時代の私
私は成長するにつれて、「社会的に価値があること」とか「安定していること」「スマートにいろいろできること」「勉強ができること」とかが “良い”、と思うようになりました。
だから、みんなが評価することや、世間的に認められてることを頑張った。
なるべく活発で社交的で、勉強がそこそこできて、おかしな職業には就かないで。
卒業文集に書いた「薬剤師になりたい」
私、小学校の卒業文集みたいのに「薬剤師になりたい」って書いたんですよ。
それ、周りの大人が喜ぶから書いたのね。
全然薬剤師なんてどうでもいいし、そもそも理系じゃないのに(笑)
ただ、自分がアトピーで薬使ってたからそれっぽい理由は書けたし、そう書けば親から祖父母から先生までが「おぉ〜」って言うのはわかってた。
で、書いて周りの大人が喜んでくれるのと同時に、自分は本気でそう思ってるんだって思い込んじゃったんです。
思えばこの頃から、周りから評価される自分を大事にし始めたなと思います。
教員になりたかったのか
さすがに薬剤師は自分には無理すぎる、って言うのは成長したらわかりました(笑)
で、教員になりました。
教員っていうのは、世間の評価的には本当にちやほやされるものです。
それがわかってるから、今も言ってるんですが(笑)私が元派遣OLっていうのと、元高校教師っていうのでは大きく印象が変わりますものね。
教育に関しては、今もものすごく興味がある分野だから、周りの評価重視で決めた職業ではないと思います。
けど、やってた教育が最高に素晴らしい教育だったとは思えない。
それが辞めた理由です。
本当に自分が良いと思う教育をやるんだったら、せめて私立か、自分で立ち上げるしかないでしょう。
夢追う人をバカにしていた
それなりに学歴があるっていうのも大事に思ってたんです。
だから「バンドやりたい」とか「芸能人になりたい」っていう同級生を、心の中でバカにした。
「サッカー選手になりたい」とか「美容師になりたい」も同じくバカにしてたと思います。もちろん面と向かっては言いませんけど、「あ〜そういう浮ついた職業に憧れちゃってるのね」みたいにはこっそり思っていました。
夢追う人をバカにしてたんです。
子どもが生まれて、「この子はどんな子になるんだろう…」と考えていたら、そういう世間からの評価って全く意味のないものだって気付きました。
この子がバンドやりたいなら、やったらいい。
アイドルになりたかったら応援しよう。
スポーツ選手でもいいし、美容師でもメイクさんでもエステティシャンでもなんでもいい。
と同時に、自分に対してもそう思えるようになったから退職しました。
教員もなかなか面白かったんですが、今は子どもを見ていたいし、同時に自分のことも考えたい。
今まで、無意識にお堅い職業しか選択肢に入れてなかったんですが、それを取っ払ったら自分は何をするだろう…と思いました。それは今も考えてる最中。
そんな時に観た『LA LA LAND』。
まるで他人事には思えなかった。
たぶん、学生時代に観ていたら
「ハッ!大きな夢を追っちゃう系映画ね。よくあるストーリーだよね。そういうのより、普通の会社員の日常とかの映画の方がよっぽどリアリティがあるのに(笑)」
と、小馬鹿にしたと思うのです。多少、音楽とか綺麗な女優さん的に好きになったかもしれませんが。
エマ・ストーン演じるミアが歌うAudition(The Fools Who Dream)の歌詞がとても好きなので、日本語訳を抜粋します。
La La Land (2016 Movie) Official Teaser Trailer – 'Audition (The Fools Who Dream)'
どうか乾杯を 夢追い人に
たとえ愚かに見えても
どうか乾杯を 心の痛みに
どうか乾杯を 厄介な私たちに
叔母は言った
『少しの狂気がスパイスになる
世界に新しい色を与える
やってみなくちゃわからないでしょう
世界には夢追い人が必要』
異端であれ
大海の小さなさざなみでも
絵描きと、詩人と、演劇と
“夢追い人は必要”っていうのがいいですね。
おかしな人はいた方がいいんです。
だから私も堂々と厄介でおかしいままでいようかな(笑)
テーマ曲も明るくて元気が出るから買っちゃった。
- アーティスト: サントラ,ジャスティン・ハーウィッツ feat.エマ・ストーン,ジャスティン・ポール,ジャスティン・ハーウィッツ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2017/02/17
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (9件) を見る
で、今読んでる本とすごくすごくリンクするんです。
この本の原題は“The Artist's Way”
アーティストになるための本、
というよりは
“もともとは絵や演劇やダンスや執筆が好きだったのに、それには価値がない(もしくは不安定すぎる)と諦めてしまった人が、もう一度表現することを取り戻す”ための本だと思います。
一度辞めてしまった人は、周りの人間がどう思うか、やっぱり自分には才能がないんじゃないか、馬鹿げている、今更こんなことやったって…という思考が働きます。
それを取っ払う本でもある。
LA LA LANDに共感した人は、この本にもわかる部分が大いにあると思います。
久々に観た映画が面白かったので幸せだなぁ。
表現をしている人やしようと思っている人
個人で事業をしてる人
元気をもらいたい人、なんかにおすすめ。
まだやっているので是非観に行ってみてね。