mimoza note

八丈島に住む刺繍作家Mimoza SHOJIのブログ。

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雑誌『暮らしの手帖』より。岡田美佳さんの刺繍画。

『暮らしの手帖』『ku:nel』『天然生活』

私が毎号読んでいる雑誌である。
どう考えても読者ターゲット層は40~60代かなと思うのだが(シルバーヘアのすすめとかあるし)、考え方に近いものがあったり、暮らしのアイディアが参考になるため20代の頃から好きでつい読んでしまう。


特に『暮らしの手帖』は小学生の頃から好きだ(笑)
たしかじゃがいもでハンコを彫り、インクを乗せて布に押すというアイディアが載っていた回があって、布用絵の具を親にねだった記憶がある。
昔からちょっと思考はおばあちゃんなのだ。




さて、今回の『暮らしの手帖』は非常に私の興味を引くものであった。
岡田美佳さんという刺繍作家が紹介されていたからだ。



今月号を読むまで、私はこの方を知らなかった。
職業柄、というか同業者として刺繍作家さんは一通りチェックしている。
まぁ出版されている方や積極的にSNSを活用されている方メインにしか拾えていないというのもあるが、こんな素晴らしい方を知らなかったとは。
思わず、作品集も探してしまった。
まだ手元にないのだが、確実に見応えがあるだろう。




岡田美佳さんは生まれつき発語がないそう。


私が教職系の勉強をしていた頃に心に留まった言葉がある。
それは"口数が少ないからといって何も考えていないわけじゃない”ということ。
よく喋る子は自分の頭のなかのことを表現してくれる分感情がわかりやすいが、寡黙な子も同じように心や頭の中も動いていて、それが表に出ていないだけなのだよ、という言葉。



子どもたちと接するとき、よく喋る子どもの方が感情豊かだと錯覚してしまうことがある。
私自身も口数は少ない方なので、決してそうではないということは身をもってわかるのだが、意識していないとつい忘れてしまうことがある。
いちいち口に出さないだけで、頭の中ではめちゃめちゃ喋ってるんだよなぁ…



岡田美佳さんももしかしたらそうかもしれない。
口からは音を出さないが、それは何も思っていないということではなくて、頭の中には表現したいことがたくさんある。
むしろ声に出さない分、表現したいものは蓄積しているのかもしれない。
彼女の刺繍画を観て、そんなことを思った。



1969年生まれというから、54歳か。
もう何十年も刺繍の表現を続けてきたというのは、私にとって理想の姿である。
私には刺繍作家という職業上の先輩がいない。
上司がいるわけでも徒弟制度でもないから当たり前なのだが、お手本にすべき先人が少ないため、少しでも理想に近い働き方をしている人を見つけて勝手に参考にするしかない。
岡田美佳さんは間違いなく私のお手本の一人である。